GBRとは、guided bone regenerationの略で、骨再生誘導法という
再生療法のことをいいます。
一般的には、インプラントをするときに骨が足りないので、骨の幅や高さを
増やすために行う手技のことです。
生体を構成している組織の細胞は、ターンオーバーといってその細胞特有の一定の周期で
新しい細胞に生まれ変わっています。一般に新陳代謝といわれるものです。
皮膚や粘膜などの上皮は約28日で新しく生まれ変わって生きますが、骨の場合には約90日
かかるといわれています。
抜歯などをして顎にくぼみができると、まずは上皮などの軟組織から修復がすすみ、
骨の修復が少し遅れて進むのはこのためです。
より多くの骨を再生させるためには、このような軟組織が骨を造りたいところに先に
入り込まないようにバリアーをはってあげる必要があります。これがGBRの簡単な概念です。
このときに使うのがメンブレンといわれる薄い膜です。
膜には自然に溶けてなくなってしまう吸収性膜と、自然に溶けず取出しが必要な
非吸収性膜があります。
効率よく骨を造るためには、膜をテント状に膨らませることが重要になりますが、
このためにチタン製のピンを使ったり骨補填材を入れたりします。
また、チタンの枠組みの入った膜などを使って骨のできるスペースを確保する
(スペースメイキングという)こともあります。
インプラントをする場合には、このような補助的な手技の習得が必要不可欠になっています。
今後も、インプラントの補助手術について少しずつ書いていきたいと思っています。