今日はインプラントでいちばん質問の多い「どれぐらいもつのか」
ということについて書いてみます。
インプラントは骨に穴を開けて、その中にフィクスチャーを埋入する外科手術が
必要ですので、患者さんに精神的・肉体的負担がかかります。
インプラントの成功率は非常に高くなっていますが、それでも中には
不幸にしてインプラントが骨と結合しなかったり、いったん結合しても
骨との結合が壊れて、駄目になるケースもあります。
これは、いくつもの原因が考えられますが、またの機会に詳しく書きたいと思います。
現在主流のチタンインプラントは、1952年スウェーデンのブローネマルク博士が、
骨とチタンが結合するということを偶然発見し、1965年から人工歯根として臨床
応用されはじめました。
現在でもそのインプラントは、患者さんのお口の中で機能しているといいますので、
約40年間、機能しているということになります。
これだけ考えても、条件が悪くなければインプラントはかなり長く持つのがわかると
思います。
ここでいう条件とは、骨の細さや深さ、骨の密度、インプラントを入れるときの設計、糖尿病などの
全身疾患の管理や、喫煙などの嗜好・生活習慣などいくつも考えられます。
インプラントを長くもたせるには、ブラッシングを中心としたお手入れの状態や、定期的な
クリーニング、かみ合わせのチェックなどをきちんと行うというのが、最低限必要だと
思います。
したがって、何年ぐらいもつかというのは、これらの管理がきちんと行われることが
前提になりますので、個々人によって変わるものだと考えています。
これらを怠れば長く使えなくなるリスクが増えるということになります。